「風邪には葛根湯」って本当?

カテゴリー: その他、お体のお役立ち情報

投稿日:2025年12月3日

「風邪には葛根湯」とよく聞きます。

 それは本当でしょうか?

 結論から言うと、「間違っているわけではない」けれど「ピッタリ」というわけでもありません。

 葛根湯は漢方薬ですので、「風邪には葛根湯」という言葉の「風邪」は、日常的に使われる「風邪」ではありません。

漢方の中では「風邪」にはいくつか種類があります。

漢方における「風邪」は、自然の中に存在する「風」が人間に害を及ぼそうとしている様子を表したものです。

自然の中には「風」「暑」「湿」「燥」「寒」「火(熱)」と六つの「気」が存在します。これが悪さをする「邪気」になると、「風邪」「暑邪」「湿邪」「燥邪」「寒邪」「熱邪」と言われるようになります。

「風邪」の特徴のひとつに、他の邪と一緒になりやすいというものがあります。

 夏であれば「熱邪」

 梅雨であれば「湿邪」

 そして冬であれば「寒邪」と一緒に人体に侵入しようとします。

この「風邪」と「寒邪」(もしくは熱邪、湿邪)が一緒になった「風寒邪」が一般的に「風邪」と呼ばれる症状です。

「邪気」の襲われると、人の体は防衛力(免疫力)を駆使して「邪気」を追い払おうとします。

侵入しようとする「邪気」と「邪気」を追い払おうとする体の力の戦いが起こると、「寒気がしてゾクゾクする(悪寒)」「頭痛がする」「関節が痛い」などの風邪症状が起こります。

体力が十分ある場合は、邪気と人体の戦いは、体の一番外側の皮毛の部分で行われます。

 この場合は邪気が皮毛にいて汗腺を塞ぐので汗が出ません。

「悪寒がして頭痛がする。汗が出ず、関節の痛みもある」

 こんな症状の時は、麻黄湯という漢方が適応になる可能性が高いです。

 また

「ゾクゾクする、というほどではないが冷たい風に余り当たりたくない。汗が出て体がしっとりと濡れている」

 こんな症状の場合は、人体の力が弱まっており、邪気に肌まで侵入されています。桂枝湯という漢方が適応になる可能性が高いです。

 では葛根湯はどうなのか? 

 葛根湯は邪気が皮毛にある場合も、肌にある場合もある程度効果があります。

 そのためどちらに邪気があるのかイマイチはっきりしない、もしくは皮毛から肌まで邪気が存在すると判断がつく場合に使われます。

 また風寒邪ではなく、風熱邪が入ってきた場合は、喉が赤く腫れ、痛みが出くる、そして熱感を嫌う(悪熱)という特徴があります。

 その場合は、銀翹散(ぎんぎょうさん)という漢方が適応になります。

 漢方では「風邪」とひと口に言っても、入ってきた邪気の種類、邪気がどこまで入ってきているか、患者の体力がどれくらいあるかで適応となる漢方が異なります。

 またまんまーる鍼灸院で行っているはりきゅうでは、このように症状を詳しく伺うことで風邪症状も診ることができます。

 風邪の引き始めはもちろん、なかなか風邪が治らない、風邪をひきやすいなどの症状もぜひご相談に来てみてください。

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